Kyoto Contemporary Art Network Exhibition 2015


連続の縺れ記憶の焼結




京焼登り窯跡地(旧藤平)


記憶の焼結―conti/nuit/é―
The Sintering of Memory: conti/nuit/é

会期:2015年3月7日(土)~4月12日(日)
Dates: Saturday, March 7 - Sunday, April 12, 2015

金・土・日・月のみ開館
Open: Friday, Saturday, Sunday, and Monday

開館時間:午前12時~午後6時
Opening Hours: 12:00-18:00

会場:五条坂京焼登り窯(旧藤平)(〒605-0845 京都市東山区竹村町151-1)
Venue: Kyoto-style Climbing Kiln (151-1 Takemuracho, Higashiyama-ku, Kyoto)

共通パス:1,000円
Passport: 1,000yen

監修:山本豊津
Direction: Hozu Yamamoto

企画:森裕一
Curation: Yuichi Mori

展示:黒田アキ/ジャン=リュック・ヴィルムート/近藤髙弘/松井紫朗/河合政之
Exhibition: Aki Kuroda, Jean-Luc Vilmouth, Takahiro Kondo, Shiro Matsui, Masayuki Kawai

主催:現代京都藝苑実行委員会/京都市教育委員会
Organized by Kyoto Contemporary Art Network Organizing Committee, Kyoto City Board of Education

後援:PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015/琳派400年記念祭委員会
With the support of Parasophia: Kyoto International Festival of Contemporary Culture 2015, Rimpa 400 Year Celebration Festival Committee


【イベント情報】

■「記憶の焼結」展 レセプション・パーティ
 日時:2015年3月7日(土)14:00~17:00
 場所:五条坂京焼登り窯(旧藤平)(※無料・予約不要)

■「連続の縺れ」展/「記憶の焼結」展 合同公開シンポジウム「連続の縺れ―conti/nuit/é―」
 日時:2015年3月8日(日)13:00~15:00
 場所:京都市美術館本館 PARASOPHIA教室(Class room)(※無料・予約不要)
 総合討論
  小林康夫(東京大学大学院総合文化研究科教授)
  黒田アキ(出品作家)
  近藤髙弘(出品作家)
  松井紫朗(出品作家)
  河合政之(出品作家)


 陶磁器の根源的な場としての登り窯。その場を現代美術の展覧会場に据えることによりその文化的歴史的意義を広め、現代と伝統の融合の可能性を考えつつ、かつ伝統的な芸術とはまた違う現代美術の可能性を探ってみたい。
 「焼結Sinteringとは、個体粉末の集合体を融点よりも低い温度で加熱すると、粉末が固まって焼結体と呼ばれる緻密な物体になる現象。この現象は多結晶体のみならずアモルファス、つまり非晶質も生み出し、 それはまた電気的特性を示すアモルファスシリコンとして太陽電池の現素材等としてもちいられている」。
 本展覧会を「記憶の焼結」と名付けたのは、「窯」のもつ潜在的可能性、現代美術の有する力への期待である。窯が生み出してきたのは伝統的な陶磁器であったが、その対局たる現代美術。その二者の対峙によって何が生まれるのだろうか。またその一方で、「もの」の母体としての「窯」が、その巨大な印象とも相まってそこを訪れた者に対し潜在的な「記憶」への誘導装置として機能する可能性がある。ならば窯は参加するアーティストが自らの記憶を遡り、そこで「知覚」したものを作品へと現実化し、結晶化しようと誘惑する人工的な数少ない場であるのだ。しかし、自明なように、現代美術とは、規則正しく配列された結晶のようなものではなく、アモルファス状態という不規則だが強靭なるものだった。そうしたアーティストたちがマトリックスのような「窯」と向き合い、吸い込まれそうな場と戦いながらそこから何を感じ制作するのか。皆が安易に「場が強い」と感じるほど剥き出しの磁場が「窯」には存在する。それは単に認識するだけでは超えられないものであろう。そのまた奥底には京都の場が持つ力も隠されている。そうしたさらなるマトリックス(母体)への旅を象づくることのできるアーティストたちが展開する記憶の非晶質へと我々は誘われる。本展覧会がそこで自らの記憶と向き合える数少ない機会となることを期待したい。


(C) Kyoto Contemporary Art Network Organizing Committee

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